11月24日(金)「交通DX最前線〜コスト削減を実現するAI最適化」をテーマにウェビナーを開催しました!本ウェビナーでは、ゲストに株式会社みちのりホールディングス グループディレクター浅井康太様をお招きし、鉄道・バス業界の現状と課題、最新技術による解決方法、また、交通DXのあり方や将来の展望について紹介しました。

当日のプログラム内容 プログラム1「最適化技術を実装するためのDXプラットフォーム構想」 プログラム2「AIで実現する輸送計画最適化」 パネルディスカッション

プログラム1では、浅井様より「最適化技術を実装するためのDXプラットフォーム構想」をテーマに、みちのりグループで実際に取り組まれている勤務シフトやダイナミックルーティングなどの具体的な最適化活用事例と、技術導入を妨げる課題点についてご説明いただきました。また今後の展望として、業界全体での連携や標準化を目指したDXプラットフォーム構想や、2025年の実用化が期待される自動運転についてもご共有いただきました。

プログラム2では、株式会社グリッド・事業開発部の山本が「AIで実現する輸送計画最適化」をテーマに、鉄道輸送計画業務の自動化・最適化プラットフォーム「ReNom Railway」について紹介しました。鉄道の輸送計画業務における課題と解決策、実際の運用方法や実用化のポイントを紹介しました。さらに具体的な導入イメージを掴んでいただけるよう、実際のサンプルデータでの実証結果も併せてご覧いただきました。

パネルディスカッションでは、グリッド・取締役の中村がファシリテーターとなり、交通DXへの取り組み姿勢や将来のビジョンについて、深掘りしてパネルディスカッションを行いました。一部ご紹介します。

― 最適化やAI技術を社会実装に繋げていく工夫や苦労について

浅井様:現場のオペレーションのほとんどは暗黙知で成り立っているので、時間をかけて言語化していくことが非常に大事。さらに、その暗黙知は本当に汎用性があるのか再検証し合理的な方法を見つけていくことが必要。

山本:事業者側でも考え方が統一されていない部分があるので、最適化と標準化を同時に行っていくことが重要。技術を提供する側と事業者側とが一緒に取り組む協力体制が必要不可欠。

― 他事業者との連携で広がる将来のビジョンについて

浅井:中小規模のバス事業者が多い業界なので、様々なデータを共有して利用できるよう標準化を進めたい。さらに輸送需要が減少している地方都市に必要とされる新たな交通インフラ連携の可能性を模索したい。

山本:共通のプラットホームやシステムの開発により様々なインフラを連携できればマルチモーダル化を進められる可能性があるので、事業者だけでなく国との連携の道も探っていきたい。

最後に、参加者の皆様からいただいた感想を紹介させていただきます。

・「みちのりHDさん含め悩み事は根本で一緒であることが分かり、今後の検討に非常に役に立ちました。みちのりHDさんは多岐にわたる業務を行っており、歴史もあることから大変な作業だったと思います。トライ&エラーで浸透させていく姿勢に感銘を受けました。」 ・「DXが実際に活用されている現場・場面をご紹介いただいたことで、DXとはどのようなものかイメージをつかむことが出来ました。また、実際のアルゴリズムや導入までの経緯をご紹介いただいたことで、DX導入に必要な事柄までイメージすることが出来ました。」 ・「特に輸送計画の最適化に関する内容に高い関心を持っていたが、列車計画や車両運用計画については鉄道事業者に展開できるところまで来ていることを知ることができ、大変有意義であった。」 ・「これからの高齢化社会、消滅都市が発生するといわれる状況を踏まえると、適切な公共交通の在り方は大切な課題と思います。その取り組みの先陣を切って対応されておられる皆さんの活動は意義深いものだと思います。事業採算性を解決することも必要となると思いますが、是非頑張っていただきたいと思います。」

今後も様々なテーマでウェビナーを開催してまいりますので、次回もぜひご参加ください!