株式会社グリッド(代表取締役社⻑:曽我部完、本社:東京都港区、以下:グリッド)は、社会インフラ特化型SaaS「ReNom APPS for Industry SaaS」の内、「ReNom Power」の機能拡充したことをお知らせいたします。「ReNom APPS for Industry SaaS」は電力・海運・サプライチェーン 3 分野のオペレーション最適化を実現する社会インフラ特化型 SaaS で、今回機能拡充した「ReNom Power」は電力分野向けのソリューションです。 「ReNom Power」は、電力会社向けの日次、週間、年間の需給計画業務を AI・デジタルツインによって、自動化・最適化を可能とし、これまで電力業界の業務効率化やコスト削減に貢献してまいりました。 今回の機能拡充では蓄積したノウハウをもとに、さらなる電力・エネルギー分野での活用の幅を広げるために、以下3つの機能を追加しました。

ReNom Powerイメージ図
貯炭場受払計画イメージ

■貯炭場受払計画自動化・最適化 主に電力業界向けとして、石炭燃料調達後の受入工程における「貯炭場受払計画」の自動化・最適化を可能とします。海外から輸入される多数の石炭種の中には、大気汚染防止などの理由から、品質の良い他の石炭と混焼する必要があるものが存在します。発電需要を満たせるように、日々の混焼の組み合わせを決める必要があります。 また、貯炭場に適切な空きスペースがないと、石炭輸送船が滞船することになり、大きなコストとなります。 そのため、将来の滞船を減らしつつ、かつ安定的に電力を供給できるように、混焼する石炭の組み合わせや輸送された石炭の保管場所を計画する必要があります。しかし、組み合わせが膨大でかつ、機器の制約なども考慮する必要があるため、人手による最適化は困難です。 「ReNom Power」はこのような課題を解決し、業務効率化だけでなく滞船日数削減と安定した石炭運用の実現に貢献できると期待しています。

■小売調達計画自動化・最適化 電力小売事業者が、どこから電力を調達するかを立案する調達計画の自動化・最適化を可能とします。 小売事業者の調達方法には大きく分けて、日々価格が変動する「市場からの調達」と固定価格で電力を確保する「発電事業者からの相対調達」があります。小売事業者は日々変動する需要を満たす電力を確保するために、市場調達と相対調達のバランスを調節し、調達コストの最小化を目指した調達計画を立案します。 そのためには、正確な需要予測や市場価格の予測、相対契約による単価や購入量の制約など多くの変動する事象を考慮しながら策定する必要があります。「ReNom Power」を導入することで、こうした複雑な計算を自動化・最適化することが可能となり、大幅なコスト削減の実現が期待できます。 ■用役設備運転計画自動化・最適化 化学メーカーにおいてプラントを稼働させるための用役設備の運転計画の自動化・最適化を可能とします。 化学工場では、化学品を生産するプラントを稼働させるために、電力や蒸気など必要なエネルギーを供給する用役設備を有しており、電力や蒸気などの需要に合わせた運転計画を立案しています。計画立案の際は、これらの需要を満足しながらコスト最適化を目指しますが、買電単価や各種燃料単価の変動、各種設備の制約条件も考慮するため、複雑な計算が求められ計画策定に多くの時間が費やされています。 このような課題を「ReNom Power」の導入により、燃料や電力の調達コストを削減し、ひいては CO2 削減にも貢献できると考えています。 今回の「ReNom Power」の機能拡充により大手電力会社の運転業務だけでなく、新電力や電力活用を行う化学産業へと領域を広げ、さらなるエネルギーの最適化に貢献できると考えています。今後は、電力・エネルギーに関する計画業務の対象を広げ、社会全体でのエネルギー最適化を目指してまいります。