日本郵船、MTI、グリッドが「AIによる自動車専用船配船計画最適化」で協業 ~GHG排出量削減と業務改革に貢献する海運DXへ

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 日本郵船株式会社(本社・東京都千代田区、代表取締役社長:長澤仁志、以下「日本郵船」)および日本郵船グループの株式会社MTI(本社・東京都千代田区、代表取締役社長:石塚一夫、以下「MTI」)と、株式会社グリッド(本社:東京都港区、代表取締役社長:曽我部完、以下「グリッド」)は、AIによる自動車専用船配船計画最適化モデルの開発を開始したことをお知らせします。

日本郵船は世界の海運会社で最大規模となる約120隻の自動車専用船を運航しています。ある船が航海を完了したのち、次にどの港に移動して次の航海を開始するかの「配船計画」は、船積みの需要に対し船のスケジュール、船型、供給可能スペースなどの様々な条件を考慮して熟練担当者が策定しています(注1)。これまでも、日本郵船では内製の配船計画システムを駆使してきましたが、判断要素が多岐にわたり、かつ状況が時々刻々と変化することへの対応の難しさが大きな課題でした。また昨今、脱炭素化の取り組みが海運業界でも加速する中、約120隻におよぶ自動車専用船をいかに効率的に運航するかが、温室効果ガス(Greenhouse Gas, 以下「GHG」)排出量を削減するうえでの新たな課題となっています。

これらの課題解決のために、日本郵船、MTI、グリッドの3社が協業し、日本郵船の自動車専用船隊の配船計画最適化を目指します。本協業では、日本郵船の配船計画策定ノウハウと、MTIが培ってきた船舶運航のシミュレーション技術を、社会インフラに特化したテクノロジーベンチャーであるグリッドのAI技術力と組み合わせ、配船計画の最適化モデル構築に挑みます。日本郵船の内製システムで採用されていた数理最適化技術に、デジタルツイン(注2)や最新の機械学習技術を採用し、モデル構築のみならずアプリケーション開発も協業の対象とします。

配船計画最適化のイメージ
最適化システム開発のステップ

日本郵船とMTI、そしてグリッドは、自動車船配船計画の最適化により、GHG排出量削減と業務プロセス改善の両立を目指します。今後、3社は最適化モデルとシステムの開発を進め、2022年6月に本システムのトライアルを開始し、2024年度に本格運用を開始する計画です。

本協業は、日本郵船とMTIにおいては 「NYKグループ ESGストーリー」(注3)および日本郵船自動車輸送本部が推進する 「Sail GREENプロジェクト」(注4)の一環で、グリッドにおいては基盤プラットフォームReNom Appsで掲げる「脱炭素化と経済活動を両立したGX」(注5)の強力な具体例の一つです。3社は本協業を通じて業務のA I化を推進し、海運DXによる、脱炭素化社会の実現と働き方改革に貢献してまいります。

(注1)日本郵船の自動車輸送事業では、ある船がどのような航海に投入されるかが「配船計画」、その船が具体的にどのようなスケジュールで運航されるかが「運航計画」、さらに車両が船内でどのように積み付けされるかが「積付計画」によって決定される。

(注2)デジタルツイン
デジタル仮想空間にリアルの空間や物体を再現する技術。対象となるモノの稼働状況や各部位の状態といった情報は常にデジタル上のシミュレーターに反映され、最適化技術やAI技術を介することで、現実世界への課題に応用することが可能。

(注3)NYKグループ ESGストーリー
日本郵船グループにおいて、ESGを経営戦略に統合するための考え方と具体的な取り組みを明示する指針。
>NYKグループESGストーリーhttps://www.nyk.com/esg/esg-story/

(注4)Sail GREENプロジェクト
従来の重油焚き船と比較しCO2排出量の少ないLNG燃料自動車船の投入を中心に、世界各地で展開する完成車ターミナルや、陸上輸送も含めた全輸送期間でCO2排出量低減を図り、お客様のサプライチェーンに還元していく、日本郵船自動車輸送本部のプロジェクト名称。

(注5) 脱炭素化と経済活動を両立したGX
グリッドは、事業の成長を止めずに収益最大化を図りながら、企業の脱炭素化に向けた環境負荷削減活動を同時に両立させることを目指している。

各社概要

日本郵船株式会社
本社:東京都千代田区
代表者:代表取締役社長 長澤 仁志
ウェブサイト:http://www.nyk.com/
事業内容 : 定期船事業、航空運送事業、物流事業からなるライナー&ロジスティクス事業に加え、不定期専用船事業、不動産業、その他の事業を国際的に展開。


株式会社MTI
本社:東京都千代田区
代表者:代表取締役社長  石塚 一夫
ウェブサイト:https://www.monohakobi.com/ja/
事業内容 : 環境・省エネ技術の研究及び開発、船舶運航技術の研究及び開発、船舶運航に関わる情報技術の研究及び開発、輸送品質に関わる研究・開発及びコンサルティング、物流現場ソリューションの研究・開発及び提供、海洋分野を含む新事業に関する調査及び研究、耐震試験及び輸送機器・貨物輸送振動再現試験の受託。


株式会社グリッド
本社:東京都港区
代表者:代表取締役社長 曽我部 完
ウェブサイト:https://gridpredict.jp/
事業内容 : 株式会社グリッドは、「インフラ ライフ イノベーション」を企業理念として、AI技術を社会インフラや人々の生活に役立てるべくAI開発を行っております。企業活動の最適化とCO2削減を実現するデジタルツイン ・最適化開発プラットフォーム「ReNom Apps」を開発し、企業価値向上のみならずサステナブルな社会の実現に努めています。機械学習、深層学習、深層強化学習、位相的データ解析や最近では量子コンピュータを活用した量子アルゴリズムなどの多様なアルゴリズムを組み合わせ、社会インフラの様々な課題解決事業を展開する、テクノロジーベンチャー企業です。

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