株式会社グリッド(本社:東京都港区、代表取締役:曽我部完、以下「グリッド」)は、社会インフラ特化型 SaaS「ReNom Apps for Industry SaaS」に、新たに追加する「ReNom Railway」を開発開始したことをお知らせいたします。「ReNom APPS for Industry SaaS」は電力・海運・サプライチェーン3分野のオペレーション最適化を実現する社会インフラ特化型 SaaSで、今回新たに追加される「ReNom Railway」のドメイン分野は鉄道分野向けのソリューションです。
社会インフラ分野で策定される計画業務は、日々刻々と変化する状況に応じて、熟練担当者が、無数の組合せの中から膨大な時間と労力をかけて最良と思われる計画を立案する業務であるため、属人化の解消や効率化が課題となっております。こうした課題を解決するため、グリッドは、AI・デジタルツインを活用した、社会インフラ特化型の計画業務の自動化・最適化システム「ReNom APPS for Industry SaaS」によってDX化を推進してまいりました。
鉄道業界においても、鉄道輸送に関する多様な計画が熟練技術者によって日々立案され、鉄道の安全かつ安定的な運行が守られておりますが、その裏側では、複雑な業務の効率化やコロナ渦による乗客数の減少により、コスト削減が喫緊の課題となっております。 こうした課題を解決するために、グリッドでは豊富な社会インフラ分野でのノウハウをもとに、鉄道分野での最適化を実現するソリューションを追加いたします。

■車両運用計画
車両運用計画は、列車ダイヤに基づいて、どの車両をどの列車に割り当てて運行するかを決定します。限られた数の車両を効率的に使い、1日数百本にのぼる列車をダイヤ通りに運行するためには、膨大な組み合わせの中から列車を割り当てる必要がある上に、輸送障害発生時には計画の修正が余儀なくされています。それに加え、路線の特徴や車両の配置、点検、分割・併合といった多種多様な制約を考慮する必要があるため、担当者には高度な技術が必要とされています。「ReNom Railway」では、列車ダイヤや駅構内情報等を考慮し、車両運用計画作成の自動化・最適化をAIを用いて実現します。さらに、車両運用の最適化により、高額な車両の保有数を見直すことが可能となり、大幅なコスト削減も期待できます。
■構内作業計画
構内作業計画は、鉄道の安全・安定輸送を確保するために必要な車両の点検作業等に関する計画で、車両基地構内での車両の入換作業や検査、清掃などの実施場所や実施時刻を決定します。決められた列車運行を厳守するために、限られた時間で効率的に各種作業を実施する必要がありますが、車両基地内の設備条件や各作業人員のリソースなどの制約を考慮して立案する上、輸送障害発生時には計画の修正が余儀なくされています。「ReNom Railway」では、各社の鉄道設備に合わせて、AIによる構内作業計画の自動化・最適化が可能です。また、従来よりも計画立案にかかる作業量を大幅に削減することができることに加え、基地内設備のダウンサイジングによるコスト削減も実現可能です。
「ReNom Railway」の追加により、鉄道分野へとAI開発の対象領域を拡大することで、グリッドの企業理念である「インフラ ライフ イノベーション」をより広範囲で実践してまいります。既に、サンプルデータを用いて計画の最適化が可能であることを実証しており、今後は鉄道事業者との協業を通して実用化を目指します。さらに将来的には、乗務員運用計画やダイヤ乱れの際の運転計画変更を行う運転整理、整備作業計画等にも対象を拡大し、鉄道業界のDX化推進に貢献していきたいと考えております。