株式会社グリッド(代表取締役社長:曽我部完、本社:東京都港区、以下:グリッド)は、社会インフラ特化型 SaaS「ReNom Apps for Industry SaaS」に、新たに「ReNom Charge」を追加すべく開発を開始したことを、お知らせいたします。「ReNom APPS for Industry SaaS」は電力・海運・サプライチェーン・鉄道4分野のオペレーション最適化を実現する社会インフラ特化型 SaaSであり、今回新たに追加される「ReNom Charge」は蓄電池制御を起点にGXを推進するエネルギーソリューションです。

 これまでグリッドは、社会インフラ分野を対象に最適化AIとデジタルツインを活用した計画業務の自動化・最適化システムの開発を行っており、これまで数々の社会インフラ企業においてエネルギー削減及びCO2排出量の削減に貢献してまいりました。

 昨今、脱炭素化社会の実現に向けて太陽光など再生可能エネルギーの導入が加速する中で、GXとして再生可能エネルギーを有効活用できる蓄電池の需要が高まっています。特に、電力系統に接続する蓄電池は、市場取引による収益化や、自社の工場、オフィスでの需要ピーク時に放電することによるエネルギーコスト及びCO2排出量の削減を可能とします。しかし、収益最大化やCO2排出量最小化を達成するためには、再エネ発電量や電力需要、市場価格などの予測データをもとに複雑な分析を行い、最適な充放電計画を立案する必要があります。また、それぞれの予測データに予測誤差は必ず生じるため、精度の高いシナリオを策定することは難しく、蓄電池の効果的な運用には課題があります。

「ReNom Charge」イメージ

 そこで、このような課題を解決しGXをより効果的に推進するために、グリッドはこれまでの電力会社との様々な取組みを通じて蓄積したAI開発ノウハウを活かし、予測の変動リスクも考慮した最適な充放電計画を立案する蓄電池制御最適化エンジンとして「ReNom Charge」を開発します。本ソリューションでは、AIが複数の再エネ発電や市場価格予測シナリオの中から変動リスクを確率的に計算し、収益最大化やCO2最小化などの目的に沿って最適化された充放電計画を自動立案します。これにより、市場取引による収益向上や、ピークカットによるエネルギーコストとCO2排出量の削減を実現する蓄電池の運用が可能となります。さらに「ReNom Charge」は、充放電計画を立案するエンジンに特化しており、蓄電池の制御や取引システムなどの外部システムに連携することで蓄電池運転制御を可能とし、蓄電池の効率的な運用を行うことができます。        

 すでに、データ検証において効果的な運用ができることを確認しており、今後は蓄電池を活用したい事業者やエネルギー関連の新規事業に取り組みたい事業者との協業を通して実運用を目指してまいります。また、新たに蓄電池事業に参入する事業者や再エネと蓄電池を組み合わせてより効果的なエネルギー運用を行いたい事業者向けに、事業者の環境に合わせた蓄電池の選定から各種システム導入まで一貫した開発も視野に入れており、事業者の最適な導入に寄与します。

 グリッドは、「ReNom Charge」によって、電力の安定化のみならず企業の収益性と脱炭素化の両立を実現し、GX推進に貢献してまいります。