株式会社グリッド（代表取締役社長：曽我部完、本社：東京都港区、以下：グリッド）は、四国電力株式会社（以下：四国電力）と共同開発したＡＩを活用した電力需給計画立案システム「ReNom Power」について、その導入効果を検証しましたので、結果をお知らせいたします。
電力需給計画の策定については、電力需要や卸電力市場価格、再生可能エネルギーの発電量などの変動要素に対する影響を考慮し、最も経済的な需給運用となるよう発電機の運転計画を立案する必要があります。しかし、これら要素の想定は近年難しくなっており、多様な変動を考慮すると、発電機の運転計画の組合せが膨大となるため、最経済となる電力需給計画の策定は困難化しております。
この課題を解決するために四国電力は、2022年7月より「ReNom Power」を導入し、AIによって立案された週間計画をもとに電力需給計画の策定を行っております。
「ReNom Power」は、電力需要や卸電力市場価格、再生可能エネルギー発電量の変動をさせた、複数のシナリオを自動生成し、シナリオごとに最適な発電計画を自動立案します。また、立案した計画に対し、シナリオが変動した場合の期待収益も可視化できることから、最経済となる計画の策定が可能となりました。
従来のオペレーションで困難だった複雑な制約も踏まえた膨大な組合せの発電計画を立案し、期待収益の高い計画の選択が可能になりました。それにより、エネルギーコスト削減や電力市場での収益向上が実現し、年間十億円を超える収益効果を得ることができました。
従来のオペレーションでは、週間計画を作成するために、多大な時間を要しておりましたが、「ReNom Power」では、収益検証も含めて、1/2以下の時間で作成可能となりました。
効率的な発電計画の策定や需給損益の見える化により、実務者の計画立案に対するノウハウを深化させることができました。また、実務者がこれまで経験則で判断していた発電計画の良し悪しについてデータに基づく判断が実現可能となりました。
グリッドは今後も更なる計算速度高速化による策定時間短縮等を視野にシステムの高度化を目指し、電力DXの推進に寄与してまいります。